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ロードス島戦記・英雄の仲間達2 (二次創作)

 いまや名実ともにロードス一の国となったフレイム王国は、邪心戦争の際その領土が直接戦火に巻き込まれなかったため、復興するのも一番早かった。
「アラニアに出兵したわりには意外と活気があるな」
「見た目はな。だが、内部では色々問題があるみたいだぜ。飛び地になったマーモ公国とか、難民の救済とかな」
 いい機会とばかりにパーンとディードリッドは街中で買い物を楽しんでいた。ウッドはそれにぶらぶらついていく形だ。買い物の際には人から情勢を聞くことも忘れない。
 有名人である二人だが、幸い誰にも気づかれることはなく、無事にスレインの家までたどり着いた。
 
 夜。スレインは自宅に戻ってからもフレイムの政策について頭を悩ませていた。もっとも彼にとっては珍しいことではない。邪心戦争が終わった後も、その事後処理で彼の仕事は山積みだった。
 
「お疲れ様、あなた。でも、少し休憩したらどうですか?」
 レイリアは働きづめの夫を気遣い、気晴らしになればと思い、話しかけた。
「ありがとう、でも大丈夫ですよ。それに私が頑張れば、少なくともあの二人が本国のことで悩まずにすみますからね」
 二人がそんな会話をしていると、玄関のドアを叩く音がした。スレインはそれに反応して出て行こうとするレイリアを制し、
「たぶん、魔術師ギルドの弟子の誰かでしょう。私が出ますよ」
 しかし、ドアを開けてみるとそこに居たのは意外な人物だった。
「久しぶりだな、スレイン」
「よくきましたね、パーン、ディード」
「お邪魔するわ。でも、今日はもう一人いるのよ」
 二人に続いて入ってきたウッド・チャックを見て、スレインは驚いた。
「ひさしぶりですね、ウッド」
 その声には、古い友人を懐かしむ響きがあった。
「よお」
 ウッド・チャックの言葉は短かったが、そこに含まれた思いを感じとったのか、スレインは微笑をたたえた。
「あの後はごたごたして、ゆっくり話もできませんでしたからね。とりあえず、奥へどうぞ」
 
「あ・・・」
 奥にいたレイリアはウッド・チャックを見ると、複雑な表情を浮かべた。対するウッド・チャックも彼女とその額のサークレットを見て、一瞬言葉を失ったが、すぐににやりと笑って、
「ひさしぶりだな」
 と声をかけた。
「ええ、おひさしぶりですね」
 レイリアは安心したように微笑んだ。
 
「それで、わたしに用事というのは?ウッドが一緒にいるのと関係あるのでしょうけど」
「言っておくが、発端はオレだがスレインを巻き込むって言い出したのはパーンのほうだぜぇ」
 ウッド・チャックは、ロードス全土を廻り諸国の情勢を集めパーンに伝える傍ら、かつてカーラが使っていた隠れ家を調べていたことを、スレインに伝えた。
「あの女はいろんな仕掛けをまだ残してたからな。その中の一つで、ちょっと気になるのがあるから、調べるのを手伝ってくれねぇか」
 どんな仕掛けかは覚えていたのが、場所が分からず調べていた物が、最近になってようやくライデン近郊と特定できたということだった。
 ライデンの東にある山脈、その中にある洞窟の一つ。そこに、魔神召喚の扉を封印している杖があるという。その扉は魔神戦争の引き金となった最も深き迷宮にあるものとは比べれば規模は遥かに小さいが、それでも下位の魔神やその手下共を呼び寄せることは可能である。
「そして誰かが杖をとっちまえば、魔神が勝手に出てくる可能性もある」
「そんな事になったら一大事じゃない」
 ディードリッドがあわてたような声を上げた。
「それだけじゃないぜぇ。その杖は魔神の力を利用している物だから、杖と契約を結べば、所有者は魔神の力を手に入れることもできる」
 それから、ウッドはその契約方法を全員に伝えた。
「まあそんなわけで、問題が起きる前に、その扉自体をどうにかしちまおうってわけさ」
 ウッドはスレインの顔をのぞき見る。
「おめぇなら、どうにかできるんじゃねぇか?」
「そうですね。実物を見ないと確かなことは言えませんが、最低でも封印を厳重にするぐらいは出来ますよ。もっとも、下手をすると手遅れかもしれませんがね」
「どういう意味だ?」
 気になるスレインの言葉に、パーンがすかさず尋ねる。
「噂なのですが、最近ライデン付近でデーモンを見たと言っている人が何人かいるらしいのですよ。幸い被害はまだ出ていないようですがね。近々本格的な調査が行われるはずですよ」
「どうやら急いだほうがよさそうだな」
 スレインの話を聞くと、すぐにパーンは立ち上がった。
「おめぇのその性格は相変わらずだな」
 やれやれとつぶやきつつウッド・チャックも立ち上がる。
「私も同行しましょうか?」
 それまで一行の成り行きを黙って聞いていたレイリアが、遠慮がちに尋ねた。しかし、ウッドはそれを断った。
「その必要はないぜぇ。あんたは十分あの女と戦った。それに、これはオレがやらなくちゃいけねぇことだからな」
「安心して待っていてください。すぐ戻りますから。やらなければならない仕事もたくさん残ってますしね」
 スレインが苦笑する。
「大変そうだな、スレイン」
「わたしの仕事は戦争が終わってからが本番ですからね。さて、急いだ方がよさそうですし、瞬間移動の魔法を使いましょうか。これを使えば一瞬でライデンに到着できますよ」
 スレインは到着先の魔術師ギルドに連絡を入れると、すぐに準備に取り掛かった。
「大事にならなければいいのだけれど」
「まあ、楽勝だろ」
 ディードリッドはウッド・チャックをじっと見つめた。その顔には特に気負いやあせりは見えない。できることを、できると言ってる、そんな風に見えた。
「ええ、そうね」
(あなたは長くカーラに囚われていた。けれど、それはただの停滞ではなかったみたいね。私達と同じようにあなたもまた成長しているんだわ)
 ディードリットはそう思った。そして昔を思い出し、くすりと笑った。

(続く)
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